神仏・伝承

安珍清姫【あんちんきよひめ】
紀州道成寺(どうじようじ) の縁起に伝わる伝説。熊野参詣(さんけい) 途上の若僧安珍に恋慕した清姫は、大蛇となってあとを追い、道成寺で鐘の中にかくまわれていた安珍を焼き殺す。能・浄瑠璃・歌舞伎舞踊などに脚色される。【大辞林】
弟橘媛命【おとたちばなひめのみこと】
日本武尊の妻。景行天皇の命を受け、日本武尊とともに東征。海上で暴風にあい沈没の危機に陥るも、自ら海に身を投じて海の神の怒りを鎮める。日本武尊は袖ヶ浦に流れ着いた妻の櫛と袖の一部を吾妻山に祀った。

奇稲田姫/櫛名田比売【くしなだひめ】
記紀神話の神。出雲国の脚摩乳(あしなずち) ・手摩乳(てなずち) の娘。八岐大蛇(やまたのおろち) の生け贄になるところを素戔嗚尊(すさのおのみこと) に救われ、その妻となる。稲田姫。【大辞林】

酒呑童子【しゅてんどうじ】
丹波の大江山に住んでいたと伝える鬼神。都へ出て金品や婦女子を略奪したという。絵巻・御伽草子・能、また浄瑠璃・歌舞伎の題材ともなった。【大辞林】
聖観音/聖観世音【しょうかんのん/しょうかんぜおん】
七観音・六観音の一。本来の姿の観音。宝冠に阿弥陀の化仏をつけ、左手に蓮華を持つ姿などに表す。聖観音。【大辞林】
鍾馗【しょうき】
中国の疫病をふせぐ鬼神。唐の玄宗皇帝の病床の夢に鍾馗と名乗って現れ、病魔を祓ったので、画工の呉道士にその像を描かせたことに始まるという。濃いひげをはやし、黒衣、巨眼の姿で剣を帯びる。日本では五月人形に作ったり、朱刷りにして疱瘡よけの護符などとした。鍾馗大臣。【大辞林】
素戔嗚尊/須佐之男命【すさのおのみこ】
記紀神話で出雲系神統の祖とされる神。伊弉諾(いざなき) ・伊弉冉(いざなみ) 二尊の子。天照大神(あまてらすおおみかみ) の弟。粗野な性格から天の石屋戸の事件を起こしたため根の国に追放されたが、途中、出雲国で八岐大蛇(やまたのおろち) を退治して奇稲田姫(くしなだひめ) を救い、大蛇の尾から天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ) を得て天照大神に献じた。新羅に渡って金・銀・木材を持ち帰り、また植林を伝えたともいわれる。「出雲国風土記」では温和な農耕神とされる。【大辞林】

毘沙門天【びしゃもんてん】
四天王・十二天の一。須弥山中腹の北側に住し、夜叉(やしや) を率いて北方を守護する神。日本では福や財をもたらす神としても信仰され、七福神の一人とされる。仏法を守護し、福徳を授ける。もとはヒンズー教の神。多聞天。毘沙門。【大辞林】
弁財天【べんざいてん】
元来、インドの河神で、音楽・智恵・財物の神として吉祥天とともに広く信仰された女神。仏教にも取り入れられたが、吉祥天と同一視されるようになった。八本の手で各種の武具を持つ像もあるが、鎌倉時代には二手で琵琶を持つ女神像が一般化した。日本では七福神の一人として民衆の信仰を集めてきた。弁天。【大辞林】

日本武尊/倭建命【やまとたけるのみこと】
景行天皇の皇子。古事記の構想では、神武の大和平定後、孝霊・崇神と引き継がれる国内における王化の拡大の歴史の完成者として位置づけられる。西の熊襲(くまそ) 討伐・東征などは、その具体的活動。なお、日本書紀では、景行自身の九州・東国巡行とともに日本武尊の西征・東征が語られ、景行による国内平定という色彩が強い。小碓命(おうすのみこと) 。倭男具那命(やまとおぐなのみこと) 。【大辞林】

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