うぃあ津軽衆/津軽言語学/辞典:た行
津軽弁辞典:た行【97語】
- ~だっきゃぁ[da’kkya(:)]
- 連体 (人・物)は。【例】わぁ・だっきゃ、やぁ=私・は、遠慮するよ。【参】「てにをは」のやや強調した「は」。
た
- だい[da’i]
- 名 誰。【例】だい・だばぁ=誰・なの。
- たげ[ta(n:)ηe’]
- 副 だいぶ、すごく。力説するときは、「ん」に力を入れる。【派】たげだ(形動)=随分な。【同】わや。
- たげぇ[tage’(:)]
- 形 <グ>高い。【対】ひぎぃ。
- たげだ[ta(n)ηeda]
- 形動 だいぶ、随分な。【派】たげ(副)=すごく。【例】たげだ奴だ=随分な奴だ。【同】わやだ。
- たげだば[taηedaba’]
- 副 大方は、大概は。【例】たげだば・らぐさ・なった=だいぶ・楽に・なった。
- たずがる[ta(n)zuga’lu]
- 動 <ラ五>(物の支えに)掴まる。【例】やっとごさ、たずがって・あさがいる=やっと、掴まって・歩ける。【同】たもずがる。
- ただでねぇ[t`a(n)da’dene(:)]
- 形 <グ>大変な様子、簡単にいきそうもない様子。
- たぢはっこ(立ち端っこ)[tazihakko’]
- 名 出発の時などに、立ったまま簡単に杯を交わすこと。
- たづ(龍)[tazu’]
- 名 鱈の白子。形状が龍に似ているため。
- たづがる[tazuga’lu]
- 動 <他・五段>掴まる、しがみつく。【参】「たもづがる」の省略形。
- たでる[tade’lu]
- 動 <他・下一>(生き物を)飼う、育てる。
- たな[tana’]
- 名 (赤ちゃんをおぶる)おんぶ紐。【参】昔は古くなった三尺や、晒しを使った。
- たなぐ[tana’g]
- 動 <他・五段>持つ。【例】そぢ・たないで・け=そっちを・持って・下さい。
- たのめす(頼めす)[tanome’su]
- 口語 宜しくお願いします。【同】たのめすじゃぁ。
- たのめすじゃぁ(頼めすじゃぁ)[tanome’suja(:)]
- 口語 宜しくお願いします。【同】たのめす。
- だばって[daba’tte]
- 口語 でも、しかし。【例】だばって、なぁ、そ・したっきゃ=でも、君が、そう、言ったんじゃないか。
- だはんで[da’hande/daha’nde]
- 口語 だから。【例】だはんで・しゃべった・っきゃ=だから・言った・じゃない。
- たぶ[ta(n)bu’]
- 名 尻の肉の部分、臀部。【同】けっつたぶ。
- たまな(玉菜)[tama’na]
- 名 キャベツ。【参】標準語でもキャベツの異称。
- たもづがる[ta(n)mozuga’ru]
- 動 <他・五段>しがみつく、(体を支えるためにものに)掴まる。【同】たづがる。
- だら[dala’]
- 名 小銭。「だらっこ」の丁寧形。
- たらす(垂らす)[tara’su]
- 動 <自・五段>(尿や大きい方を)漏らす。【派】ばばたらし。
- だらっこ[dala’kko]
- 名 小銭。【略】だら。
- だんこぬげる[danko’nugelu]
- 動 <自・下一>腰が抜ける。【例】のみすぎで、だんこぬげで・まった=飲み過ぎて、腰が抜けてしまった。
- だんぶり[da’nbuli]
- 名 トンボ。
ち
- ちぇ[che’]
- 形 <グ>強い。【対】よえぇ。【同】つえぇ。
- ちかしぃ(近しい)[chikasi(:)]
- 形 <シグ>馴れ馴れしい、親しい、仲がよい。
- ちゃかし[chakashi’]
- 名 慌て者、おっちょこちょい。
- ちゃっけぇ[chakke’(:)]
- 形 <グ>小さい。【同】ちゃっぺぇ。【対】でげぇ/でっけぇ。
- ちゃっぺ[cha’(p)pe]
- 名 子猫。
- ちゃっぺぇ[chappe’(:)]
- 形 <グ>小さい。【同】ちゃっけぇ。【対】でげぇ/でっけぇ。
- ちゃなべっこ[chanabekko’]
- 名 ①ドングリ。②ルールに入れないで遊びに参加させる子供。
- ちょしょじ(長勝寺)[choshoji’]
- 名 津軽藩の菩提寺・長勝寺。
- ちょす[cho’su]
- 動 <他・五段>いじる、さわる。【例】こご、あどで・かだづげる・はんで、ちょすな=ここは、後で・片づける・から、触るな。
- ちょっちゃべ[cho’(c)chabe]
- 名 おしゃべりな人。
- ちょっとごま[cho(t)togoma’]
- 名 少しの時間。【参】いっとまが=あっという間。
つ
- つえぇ[tsue’(:)]
- 形 <グ>強い。【対】よえぇ。
- つがる(違る)[tsuηaru’]
- 副 違う。【例】この・つがるづげ、あめじゃぁ・はんで、つがるんず・けぇ=この津軽漬け、腐っている・から、違うのを・ください。
- つけっと[tsuke’tto]
- 副 →つけらっと
- つけらっと[tsukela’tto]
- 副 知らない振りをして、素知らぬ顔で。
- っちゅうが[cchu(:)ga]
- 口語 というか。【同】ってすが。【例】っちゅうが、まいべ=というか、だめでしょ。
- ってすが[tte’suga]
- 口語 というか。【同】っちゅうが。
- つぺ[tsuppe’]
- 名 (家や部屋などの)鍵。
- つぼけ[tsu(n)boke’]
- 名 アホ。【派】つぼけだ(形動)=アホな。
- つぼけだ[tsu(n)bokeda’]
- 形動 アホな。【派】つぼけ(名)=アホ。【例】つぼけだ奴だ=アホな奴だ。
- つらつぎす[tsulatsugi’su(:)]
- 動 <他・五段>顔をしかめる、にらむ。
て
- てかり(禿り)[tekali’]
- 名 傷跡などが光る状態。頭の部分禿。
- てぎだ[te’ηida]
- 形動 大儀だ、面倒だ。
- でげぇ[dege’(:)]
- 形 <グ>(小便や大便がしたい。【例】しょんべ・でげぇ=小便がしたい。
- でげぇ[dege’(:)]
- 形 <グ>大きい。【対】ちゃっけぇ/ちゃっぺぇ。【音】でげぇ[dege'(:)]=(便が)したい。
- てけぇ(手痒ぇ)[te’ke(:)]
- 形 <グ>見ていられない程歯がゆい。【例】なんぼ・てけぇ・ばな=なんて・歯がゆい・んだろう。
- てご[te’go]
- 名 太鼓。【音】てご[tego']=箸。
- てご(梃子)[tego’]
- 名 箸。【音】てご[te'go]=太鼓。
- でっけぇ[de(k)ke(:)]
- 形 <グ>大きい。【対】ちゃっけぇ/ちゃっぺぇ。【同】でげぇ。
- でっただ[de’ttada]
- 副 大きな。【例】あの・でっただ・かんばん、なんだば=あの・大きな・看板、何だろうね。
- てっぺぇ(手一杯ぇ)[teppe’(:)]
- 副 精一杯、力一杯。【例】きょうだば、てっぺ・のめ=今日は、目一杯飲め。
- てらっこ[te’lakko]
- 名 (昆虫の)蝶。
- でれき[dele’ki]
- 名 バーベキューなどで炭を掴む火ばさみ。
- てろてろど[telotelodo’]
- 副 ふらふらと酔っている状態。【例】てろてろど・よる=ふらふらとするほど・酔う。
- てんがくばさま(典薬婆様)[tenηagubasama’]
- 名 産婆さん。
- でんち(電池)[denchi’]
- 名 懐中電灯。
と
- どうしょもねぇ[do(:)shomone’(:)]
- 形 <グ>どうしようもない。【同】しゃぁねぇ。
- とげ[toηe’]
- 名 (魚の)骨。
- とげぇ[to(:)ge’(:)]
- 形 <グ>遠い。【対】ちけぇ。【例】えぇ・とぉげして・よぉ=家が・遠くて・なぁ。
- どごだかんだ[dogodaka’nnda]
- 名 どこでもかんでも。【例】どごだかんだ・さ・おぐ・な=どこにでも・置くな。
- どごだり(何処辺り)[dogoda’li]
- 名 どこらへん。【例】そい、どごだり・だばぁ=それは、どのへん・ですか。
- どごだり(何処辺り)[dogodali’]
- 名 どこにでも。【例】どごだり・さ・おぐ・はんで、ねぐなる・んだねぇ=どこにでも・置くから、無くする・んだよ。
- どした[dosita’]
- 副 ①どんな、どんなに。②どうした。【例】どした・やづでも・やぁ=どんな・奴でも・いいよ。
- どしちゃぁ?[dosicha’:]
- 口語 久しぶりだね、どうしていましたか?
- どしちゃぁばぁ?[dosicha:ba’(:)]
- 口語 →どしちゃぁ?
- としょり[tosholi’]
- 名 年寄り、老人。【複】としょりんど[tosholi'ndo]。【対】わげもの。
- どす[dosu’]
- 口語 どうする。【例】今日、これがら・どす・がっちゃ?=今日、これから・どうする・つもりですか?
- とずぐ[to(n)zu’gu]
- 動 <自・五段>届く。【例】にもつ、ばげ・とずぐ・びょん=荷物、夜に・届く・でしょう。
- どすば[dosuba’(:)]
- 口語 →どす
- どすべ[dosube’(:)]
- 口語 どうしよう。【例】わいぃ、どすべ、どすべ=あぁ、どうしよう、どうしよう。(感謝の意味)
- どせば[doseba’]
- 口語 どうしたら、何で。【例】どせば、そぅめぐせぇかっこ・すにいいのよ=どうすれば。そんなに恥ずかしい格好・できるのよ。
- どだればぢ[dodaleba’zi]
- 名 弘前で行われる夏祭り「どだればち祭り」の略。
- どぢ[do’zi]
- 名 尻。【寧】おどぢ(名)。
- とっくらがす[tokkuraga’su]
- 動 <他・五段>ひっくり返す。【派】とっくらがる(自)
- とっくらがる[tokkuraga’ru]
- 動 <自・五段>ひっくり返る。【派】とっくらがす(他)【例】そう・のまへれば、とっくらがって・まるね=そんなに・飲ませると、ひっくり返って・しまうよ。
- どった[dotta’]
- 副 ①どんな、どんなに。②どうした。【例】どった・やづでも・やぁ=どんな・奴でも・いいよ。
- どっちゃ[do’ccha]
- 副 どこに、どちらに。【例】どっちゃ・しまった・っきゃ=どこに・しまった・っけなぁ。
- とっちゃ(父っちゃ)[to’ccha]
- 名 お父さん。【対】かっちゃ=お母さん。【同】あや、おど。
- どってんすぅ[dotte’nsu(:)]
- 動 <自・五段>おどろく、たまげる、びっくりする。【例】わいは、どってんしてまったじゃぁ=あぁ、びっくりしたよ。
- とっぱる[to(p)pa’l]
- 動 <自・五段>閉まる、塞がる。【他】とっぺる=閉める。
- とっぺる[to(p)pe’l]
- 動 <他・下一>閉める、塞ぐ。【自】とっぱる=閉まる。
- どなが(胴中)[do(:)naga’]
- 名 胴回り、ウエスト。
- どひゃぁ[dohya’:]
- 口語 どうして、どうしたら。【同】どせば。【例】どひゃぁ・いが・わがんねぇ=どうすれば・いいか・わからない。
- どらはんど[do’lahando’]
- 副 どんなに、どれほど。【例】どらはんど・くぅしたが=どれほど・心配したか。
- とらぼ[tolabo’]
- 名 (昆虫の)バッタ。
- とれぇ[tole’(:)]
- 形 <グ>(スピードが)遅い。【同】おせぇ。
- どんず[do’nzu]
- 名 尻。京都のバスガイドに「どんず=さようなら」と教えたら、別れ際涙ながらに「どんずー」と言った逸話は有名。
- どんだ[donda’]
- 口語 ①(相手に聞く場合)どうだ、どんな様子だ?②(呆れて)なんてことだ。
- どんだっきゃ[donda’kkya]
- 口語 ①(相手に聞く場合)どうなの?②(呆れて)どうなのよ。
- どんだばぁ[do’(:)nda’ba]
- 口語 ①(相手に聞く場合)どうだ、どんな様子だ?②(呆れて)なんてことだ。
- どんだんず![do’(:)nda’nzu]
- 口語 ①(相手に聞く場合)どうなの?②(呆れて)なんてことだ。
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