うぃあ津軽衆/津軽言語学/辞典:は行

津軽弁辞典:は行【94語】

ばぁくせぇ[ba(:)kuse’(:)]
<グ>馬鹿臭い、腹が立つ、悔しい。【例】そした・ごど、ばぁくせして・やって・らいねぇ=そんな・こと、馬鹿臭くて・やって・られない。
はいっと[ha’(i)tto]
口語 はい、どうぞ。
はえぇ(早ぇ)[hae’(:)]
<グ>早い。【対】おせぇ。
はがいぐ(捗行ぐ)[haga’igu]
<自・五段>はかどる。【例】しごど、はがいっちゃぁ・なぁ=仕事、はかどってます・か。
はがしょ(墓所)[hagasyo’]
お墓、墓地。
ばがっこ(馬鹿っこ)[bagakko’]
お馬鹿さん。【例】わぁ、ばがっこ・だはんで=私、お馬鹿さん・だから。
はかはかど[haka’hakado]
形動 気が気でなく、でかせかするする様子。【派】はっかめぐ(動)。
はぎ[ha’gi]
箒(ほうき)。
ばくせぇ[ba(:)kuse’(:)]
悔しくて、馬鹿臭い。【例】なんぼ、ばくしぇぇ・ば=なんて、馬鹿臭いんだ。
はぐらん[hagula’n]
日射病、熱中症、熱射病。【例】はぐらん・おごす=日射病に・なる。
ばぐる[bagu’lu]
<他・五段>交換する。
ばげ(晩げ)[ba(n)ηe’]
夜。【派】ばげまま=晩ご飯。【参】あさま=朝。
ばさま[basama’]
お婆様。【対】じさま=お爺さま。【同】ばっちゃ、ばば。
ばすらぐ[basula’ηu]
<他・五段>(臭いを)扇ぎ飛ばす動作。【同】ばふらめぐ。
はだる[hada’lu]
<ラ五>欲しがってせがむ。【同】あどはだりすぅ
はぢまんさま(八幡様)[hazimansa’ma]
弘前八幡宮。通称「八幡様」
はっかめぐ[hakkame’gu]
<自・五段>気が気でなく落ち着かない。【例】わぁ、きな・がら、はっかめぇで・まね・じゃ=俺、昨日・から、気が気でなくて・駄目だ。【派】はかはかど(形動)。
はっから[ha’(k)kala]
もうすでに。【例】はっから・したぐ・しちゃぁんずなぁ=もう・支度を・してるのかい。
ばっけ[ba’kke]
(植物、食品の)蕗。
はっける[hakke’l]
<他・下一>走る。【例】はっけ・まわって=走り・回って。
ばっちゃ[ba’ccha]
お婆ちゃん。【対】じっちゃ=お爺ちゃん。【同】ばさま、ばば。
はど(鳩)[hado’]
男性器。その形状が鳥の鳩に似ているため。【同】がも。【派】はどげ(名)=男性の陰毛。
はどげ(鳩毛)[hadoηe’]
男性の陰毛。【同】がもげ。【派】はど(名)=男性の陰部。
はなおど(鼻音)[hanaodo’]
鼾(いびき)。【例】なぁ・の・はなおど・さしねして、ねらいねがった・じゃぁ=君の・鼾が・うるさくて、寝られなかった・よ。
はなぶぐろ(鼻袋)[hanabugulo’]
小鼻。
はなぺ(鼻ぺ)[hanape’]
物の突端、先端。【例】このくるま、はなっぺ・なげぇ=この車、鼻先が・長い。
ばば[ba’ba]
ババァ。【対】じっこ=ジジィ。【同】ばっちゃ、ばさま。【音】ばば[baba']=大便、うんち。
ばば[baba’]
大便、うんち。【参】しょんべ=小便。
はばぎぬぎ(脛巾脱ぎ)[ha(n)baηinugi’]
長い旅行から帰った時の打ち上げの宴会。
はばげる[ha(n)bageru’]
<自・下一>(喉につっかえて)むせる。【例】そったに・けば、はばげで・まるね=そんなに・食べたら、むせて・しまうよ。
ばふらっと[bafula’tto]
(あたり損ないで柔らかく当たって)バフっと。
ばふらめぐ[bafulame’gu]
<他・五段>(臭いを)扇ぎ飛ばす動作。【同】ばすらぐ。
ばやばやど[baya’bayado]
形動 せわしなく動き回る様子。【例】かちゃくちゃねぇ・はんで、ばやばやど・すんな=腹が立つ・から、(目の前で)動き回るな。
はらおっき(腹大っき)[halao’kki]
妊婦さん。【参】腹+大きいから。
はんかくせ[hankakuse’(:)]
<グ>中途半端で、いい加減な様子。
はんちゃ[hancha’]
どてら、胴着。
はんつけ[ha’ntsuke]
仲間はずれ。

びぎ[bi’gi]
蛙。
ひぎぃ[higi’(:)]
<グ>低い。【対】たげぇ。
ぴたっと[pita’tto]
ぴったりと、ピタリと、ピシャリと。【例】びったど・ふったぐ=ピシャリと・叩く。
びっき[bi’kki]
赤ちゃん。
びった[bitta’]
メンコ。
びったど[bitta’do]
①ピシャリと(叩く)。【参】わっつど(副)。②ピタリと。【同】ぴたっと。
ひっぱる[hippa’l]
<他・五段>(車やバイクを)運転する。
ひとけり[hitoke’li]
一回、一度。【同】いっ・け。
ひゃぁ[hya:]
口語 だったら。【例】ひゃぁ・やぁ=そうでしたら・結構です。
びろ[bi’lo]
涎(よだれ)。

ふぃげ(髭)[fi(n)ηe’]
ヒゲ。
ふぃじゃかぶ(膝株)[fi(n)jaka(n)bu’]
膝(ひざ)小僧。
ふぇぐ(百)[fegu’]
百。【例】ふぇぐ・えん=百・円
ふぇなが(背中)[fena’ga]
背中。
ふぐ(吹く)[fu’gu]
<自・五段>吹雪く。【例】けさ・だっきゃぁ、ふいで・ふいで=今朝・なんか、吹雪いて・吹雪いて。
ふだっこ(札っこ)[fu(n)dakko’]
花札ゲーム(主に「馬鹿っ花」をさす)。
ふつける[futsuke’ru]
<他・下一>(息を)吹き付ける。【例】ふって、ふつけなが=フゥって、吹きつけなさいよ。
ふったぐ[futta’gu]
<他・五段>叩く、殴る。【同】ぷったらぐ。【例】ふったがいだ=叩かれた。
ふったつける[futta’tsukel]
<他・下一>殴る。【例】ふったつけで・のして・まら=殴って・ボコボコにして・しまうぞ。
ぷったらぐ[puttala’gu]
<他・五段>叩く、殴る。【同】ふったぐ。【例】ぷったらがいだ=叩かれた。
ふてぇ(太ぇ)[fute’(:)]
<グ>(物や体型が)太い。【対】ほせぇ。
ふとけり[hutoke’li]
一度、一回。
ふとづ(一づ)[futo(n)zu’]
同じ。【例】そやしても、ふとず・だね=そうしても、同じ・だよ。
ふらだげる[furadageru’]
<他・下一>(物を)広げる。【例】そぅ、あし・ふらだげ・ねぇの=そんなに、脚を・広げ・ないの。
ぶりこ[buliko’]
鰰(はたはた)の卵。
ふんちゃぎ(藤崎)[funchagi’]
<地名>南津軽郡藤崎(ふじさき)町。

へがへる[hegahe’lu]
<他・下一>からかって、興奮させる。【例】あんま・へがへるな=あまり・からかうな。
へがへる(急がせる)[hegahe’lu]
<他・下一>急がせる、急かせる。【例】へがへで・まった・なぁ=急がせて・しまった・ねぇ。
べご[bego’]
牛。【同】べご。【参】まっこ=馬。【諺】まま・くって・すぐ・ねれば、べご・さ・なる=ご飯を・食べて・すぐ・寝れば、牛・に・なる。
べごっこ[begokko’]
牛。【同】べごっこ。【参】まっこ=馬。
へずなみ[he(n)zunami’]
苦しさ。【例】へずなみ・わがっちゅう・人=つらさを・わかっている・人。【派】へずねぇ(形)
へずねぇ[hezune’(:)]
<グ>つらい、苦しい。【例】なんだがさ、へずね・ったらだなぁ=何か、苦し・そうだなぁ。【参】南部弁では「せづねぇ」
へちょべ[he(c)chobe’]
(鍋や釜に付いた)焦げ付き。
へっちょ(臍)[heccho’]
臍(へそ)。
へば[heba’]
口語 そうすれば、それでは、そうなら。【例】へば・いいじゃ=そうなら・結構です。
へば![heba’]
口語 (別れの挨拶として)さようなら!
へばだば[hebadaba’]
口語 それなら、じゃぁ。【例】へばだば、わも・いぐじゃ=それなら、私も・行くよ。
へばのぉ![hebano’:]
口語 →へば!
へらこ[helako’]
姉さん女房。【諺】へらっこ持ぢ、果報持ぢ=姉さん女房を嫁にとると、幸せになる
へんた(変た)[he’nta]
連体 変な、おかしな。【例】へんた・かっこ・すんな=変な・格好・するな。

ほいど(欲奴)[hoido’]
欲張りな人。【派】くされほいど/ほいどくされ(名)=強欲な人。
ほいどくされ(欲奴腐れ)[hoidokusale’]
強欲な人(「ほいど」の強形)。【同】くされほいど。【派】ほいど(名)=欲張りな人。
ほいどたがれ(欲奴集れ)[hoidotagale’]
強欲な人。【動】ほいどくされ。【派】ほいど(名)、ほいどたがる(動)
ほごす(解す)[hoηo’su]
<他・五段>解体する。
ほじょ(包丁)[ho’jo]
包丁。【参】まぎり(名)=ナイフ。
ほせぇ(細ぇ)[fose’(:)]
<グ>(物や体型が)細い。【対】ふてぇ。
ほたっこ[ho(t)ta(k)ko’]
臨時収入、へそくり。
ぼっこ(棒っこ)[bokko’]
棒、棒っきれ。
ほっぺた(頬ぺた)[ho’ppeta]
(顔の部位の)頬(ほお)。
ぼのご(盆のご)[bonogo’]
盆の窪(くぼ)(=首の後ろの窪んだ所)。
ぼへらっと[bohela’tto]
ボケっと。
ぼる[bolu’]
<他・五段>追う。【例】あど・ぼって・あるぐ=後を・追って・歩く。
ほろごる[horogoru’]
<他・五段>(ほこりを)払う。【例】そごで、ほろごるな=そこで・ほこりを払うな。
ほんず[ho’nzu]
馬鹿、頭が悪い人。「ほんずなし」の略。【例】ほんず、この=馬鹿か、この野郎。
ほんずなし[honzuna’shi]
馬鹿、頭が悪い人。【派】ほんずねぇ(形)=馬鹿な。がほんず(名)=大馬鹿。
ほんずねぇ[ho’nzune(:)]
<グ>頭が悪い。【派】ほんずなし(名)。
ほんつくる[ho(n)tsuku’lu]
<他・五段>(鼻などを)ほじる。

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