うぃあ津軽衆/津軽言語学/辞典:な行
津軽弁辞典:な行【63語】
な
- なぁ(奴)[na’(:)]
- 名 (二人称単数)貴方、お前、君。【複】なぁんど、なんだい、なぁだぢ。【同】おめぇ。
- なぁだぢ(奴達)[na(:)da’zi]
- 名 (二人称複数)あなた達、お前ら、君たち。【単】なぁ。【同】なぁんど、なんだい。
- なぁんど(奴等)[na’(:)ndo]
- 名 (二人称複数)あなた達、お前ら、君たち。【単】なぁ。【同】なぁだぢ、なんだい。
- ながけり(長けり)[naηa’keli]
- 名 長靴。「けり」は靴の意。
- ながまる[naηama’lu]
- 動 <自・五段>横になってリラックスする。
- なげぇ(長ぇ)[naηe’(:)]
- 形 <グ>長い。【対】みちけぇ。
- なげる(投げる)[naηe’lu]
- 動 <他・下一>(ゴミを)捨てる。【派】ごみなげ(名)=ゴミ捨て。
- なして[na’site]
- 口語 なぜ、何で。【同】なひゃぁ。【例】なして・そうなる=何で・そうなる。
- なづぎ[na(n)zugi’]
- 名 (顔の)額。
- なにほど(何程)[naniho(n)do’]
- 口語 どれほど、どれくらい。
- なひゃぁ[nahya’:]
- 口語 (反語形で)なぜ、どうして。【同】なして、なふぇ。【例】なひゃぁ・いがにゃぁ・まいんずよ=何で・行かなきゃ・ならないんだよ。【類】どひゃぁ。
- なふぇ[na’fe]
- 口語 →なして
- なべっこ[na(n)bekko’]
- 名 ①(調理器具としての)鍋②(料理としての)鍋③ルールに入れないで遊びに参加させる子供。【参】「ちゃなべっこ」の省略形。【同】みそっぱ。
- なまごだ[namagoda’]
- 形動 動きがゆっくりしている人。【参】海の生き物「なまこ」の動きからかも。
- なめ(名前)[name’]
- 名 名前。【例】なぁ、なめ・なんて・すんだば=あなた、名前・なんて・いうのですか。
- なめっこ(名前っこ)[namekko’]
- 名 →なめ(名前)
- なんだい[nanda’i]
- 名 (二人称複数)あなた達、お前ら、君たち。【単】なぁ。【同】なぁんど、なぁだぢ。
- なんたかった[nantaka’(t)ta]
- 副 どうしても、何が何でも。【例】なんたかった・あさいで・いがにゃぁ・まいね=何が何でも・歩いて・行かなければ・ならない。
- なんちゃも(何ちゃも)[na’nchamo]
- 口語 (否定形で)なんにも~ない。【例】なんちゃも・きが・ね=なんの足しにもならない。なんちゃも・なん・ね=なんにもならない。
- なんぼ[nanbo’]
- 副 ①なんて。【例】なんぼ・まねば=なんて・駄目なんだ。②どれくらい、どれほど。【同】なにほど。③(値段が)いくら
に
- にぐらっと[nigula’(:)tto]
- 副 (何か良いことがあって)にんまりとする。【例】どしたばぁ、にぐらっと・して=どうしたんだい、にんまりして。【同】にぐらにぐらど。
- にぐらにぐらど[nigula’ligulado]
- 副 (何か良いことがあって)満面の笑みでにんまりとする。【同】にぐらっと。
- にけ[nike’(:)]
- 名 (回数の)二回。【参】いっけぇ=一回、さんけぇ=三回。
- にげ[nige’(:)]
- 名 (建物の)二階。【参】いっけぇ=一階、さんけぇ=三回。
- にげぇ(苦ぇ)[niηe’(:)]
- 形 <グ>苦い。【例】にげして・かいねぇ=苦くて・食べられない。
- にしずまる[nisizuma’lu]
- 動 <自・五段>煮すぎて味が濃くなってしまった状態。
- にっちゃ(兄っちゃ)[ni’ccha]
- 名 お兄さん。
- にべ[ni(n)be’]
- 名 二重瞼(まぶた)。
- にんじゅ(二十)[ninju’(:)]
- 名 二十。
- にんびぃ[ni(n)bi’(:)]
- 形 <グ>(動作や感覚が)鈍い。
ぬ
- ぬぐい[nu(n)gu’i]
- 形 <グ>暖かい、温かい。【同】ぬぐぅ。【派】ぬぐまる、ぬぐだまる(動)あったまる。
- ぬぐぅ[nugu’:]
- 形 <グ>暖かい、温かい。【同】ぬぐい。【派】ぬぐまる、ぬぐだまる(動)あったまる。
- ぬぐだまる[nugudama’lu]
- 動 <自・五段>暖まる。【同】ぬぐまる。【派】ぬぐい/ぬぐぅ(形)=暖かい。
- ぬぐまる[nuguma’lu]
- 動 <自・五段>暖まる。【同】ぬぐだまる。【派】ぬぐい/ぬぐぅ(形)=暖かい。
- ぬげまなぐ(抜け眼)[nugemana’gu]
- 名 目が出ている状態(の人)。
ね
- ねくたりん[nekutali’n]
- 名 桃(ネクター)とりんごを掛け合わせた果物。
- ねごつら(猫面)[negotsula’]
- 名 三色すみれ、パンジー。
- ねちける[nechike’lu]
- 動 <自・下一>ねじれる。【例】はらわだ・、ねちけで・まるじゃぁ=腑が・ねじれて・しまうよ。
- ねっちゃ(姉っちゃ)[ne’ccha]
- 名 お姉さん。
- ねっちょふけぇ(根っちょ深ぇ)[neccho’fuke(:)]
- 形 <グ>執念深い。【例】あい、なんぼ・ねっちょふけぇば=あいつ、何て・執念深いんだ。
- ねっぱぐ(粘ぐ)[neppa’gu]
- 動 <自・五段>くっつく、ひっつく。【同】ねっぱる。【派】ねっぱげる(他)
- ねっぱげる(粘げる)[neppage’lu]
- 動 <他・下一>くっつける、ひっつける。【派】ねっぱぐ(自)。
- ねっぱる(粘っぱる)[neppa’lu]
- 動 <自・五段>くっつく、ひっつく。【同】ねっぱぐ。【派】ねっぱげる(他)
- ねぱかぱすぅ[nepa’kapasu(:)]
- 動 <自・五段>ネバネバする。【例】この・てぶる、なんだがさ・ねぱかぱすぅ=この・テーブル、なんだか・ネバネバする。【派】ねっぱぐ(動)
- ねぶた[ne(n)buta’]
- 名 青森、大湊(むつ)、五所川原などで行われている夏祭り。但し地元民は「ねぷた」と呼ぶ。
- ねぷた[ne(n)puta’]
- 名 弘前、黒石などで行われている夏祭り。
- ねぷてぇ[nepute’(:)]
- 形 <グ>眠い。【派】ねぷりかげ(名)=うとうとすること。
- ねぷりかげす[ne(n)pulikage’su(:)]
- 動 <自・五段>うとうとする。【派】ねぷて(形)=眠い。
- ねほいる(寝惚いる)[neho’ilu]
- 動 <自・上一>寝坊する。【例】けさ、ねほいで・まったじゃぁ=今朝、寝坊して・しまったよ。
- ねまりずもう(ねまり相撲)[namalizumo’(:)]
- 名 立て膝で行う、津軽独特の相撲。
- ねまる[nema’lu]
- 動 <他・五段>座る。【派】ねまり・ずもう=立て膝で行う相撲。【例】まんず、ねまりへ=まぁまぁ、座りなさい。
の
- のそっと[noso’(:)tto]
- 副 ごっそり、たんまりと。【例】きな、ゆぎ、のそっと・ふった=昨日、雪が、ごっそり・降った。
- のそのそど[noso’nosodo]
- 副 大粒の雪が降っている様子。
- のだばる[no(n)daba’lu]
- 動 <他・五段>俯せに寝ころぶ。【例】なだばって・テレビばり・みで=うつぶせになって・テレビばかり・観て。
- のっつど[no’ttsudo]
- 副 強烈に、ガツンと。【同】わっつど。【例】のっつど・ふったがいだ=ガツンと叩かれた。
- のっぱら(野原)[noppa’la]
- 名 野原。【諺】のっぱらで屁=とてもすっきりする、すがすがしい気分になる。
- のどつまりすぅ(喉詰まりすぅ)[no(n)dotsuma’lisu(:)]
- 動 <自・五段>喉が詰まりそうになる。【例】この・チキン、むっつして・のどつまりし・てまる=この・チキン、パサパサしていて・喉が詰まりそうになる。
- ののさま[no’nosama]
- 名 お月様。
- のべでよごす(伸べで寄越す)[no(n)be’deyogosu]
- 動 <サ・五段>差し出す。【例】じぇんこ・のべでよごさ・いだ=お金を・差し出さ・れた。
- のぺらっと[noppela’(:)(t)to]
- 副 凹凸が無くのっぺりとした様子。
- のめくる[no(n)meku’lu]
- 動 <他・下一>前方に傾く、突っ込む、倒れ込む。
- のれ[nole’]
- 副 ものすごく。「のれそれ」の略。※強調時は「の」に力を込める。
- のれそれ[nolesole’]
- 副 ものすごく。。※強調時は「の」に力を込める。
(C)2007 yootaki Allright reserved